ランキングで深掘り!保育士が辞める理由トップ10と、その乗り越え方

「もう限界かも…」「このまま続けて大丈夫かな?」そんな気持ちで「保育士 辞めたい」「保育士 辞める理由」と検索して、このページにたどり着いてくださったのではないでしょうか。

この記事では、よくある理由ランキングと表面的な対処法を並べるのではなく、一つひとつの理由を保育士のリアルな声をもとに深く掘り下げながら、自分で考えるための小さなワークも交えて整理していきます。どこまで頑張るべきなのか、どこからは「辞める」「変える」を選んでもいいのか、自分なりに判断できる材料として使っていただけたら嬉しいです。

  1. データで見る「保育士が辞める理由」トップ10
  2. 1位:人間関係の悩みをどう見直すか
    1. いちばん多いのは「職員同士」のストレス
    2. 人間関係の悩みを整理する3ステップ
    3. 実際に変えられること・変えられないことを分ける
    4. セルフワーク:人間関係の「限界ライン」を言葉にしてみる
  3. 2位:仕事量・長時間労働に潰されそうなときの考え方
    1. 「仕事量がおかしい」のか「慣れの問題」なのか
    2. 1日のタイムラインを書き出してみる
    3. 仕事量を軽くするためにできる小さな工夫
    4. 「このまま続けた場合」と「環境を変えた場合」をイメージする
  4. 3位:給料・待遇を数字で比較してみるワーク
    1. 「なんとなく不満」から「数字で把握」に変える
    2. セルフワーク:今の待遇を整理するシート
    3. 他の選択肢と比べたときにどう感じるか?
  5. 4位:心と体の不調サインを見逃さない
    1. 「ちょっとしんどい」を放置しない
    2. セルフワーク:1週間の「心と体」の状態をメモしてみる
    3. 専門家の力を借りることは「逃げ」ではない
  6. 5位以降:ライフイベント・価値観の変化で辞めるケース
    1. ライフイベントで「働き方」を変えるタイミング
    2. 価値観の変化で「辞める」ことを選ぶ人もいる
    3. セルフワーク:今の自分の”大事にしたいこと”を3つ書く
  7. 「辞めて良かった/続けて良かった」保育士のストーリー
    1. ケース1:「園を変えたことで、保育がまた好きになれた」
    2. ケース2:「思い切って別の業界に転職して、自分らしさを取り戻した」
    3. 今のあなたに問いかけたいこと

データで見る「保育士が辞める理由」トップ10

さまざまな調査や現場の保育士さんへのヒアリングを総合すると、保育士が辞める主な理由には次のような傾向が見られます。厳密な統計というよりは、よく挙がる声を整理したものだと思ってください。

保育士が辞める理由トップ10(イメージ)

  1. 人間関係の悩み(同僚・上司・園長・保護者など)
  2. 仕事量・長時間労働の負担
  3. 給料・待遇への不満
  4. 心身の不調(メンタル不調・体力の限界など)
  5. 園の方針・価値観が合わない
  6. 保護者対応のストレス
  7. ライフイベント(結婚・妊娠・出産・育児・介護など)
  8. 将来のキャリア不安(このままでいいのか?)
  9. 仕事のミスマッチ(やりたい保育と現実のギャップ)
  10. 通勤・勤務時間・シフトなど働き方の問題

もちろん、理由は一つとは限りません。「人間関係×仕事量」「給料×将来不安」のように複数が重なって限界を感じるケースが多いのが実情です。この記事では特に上位の4つを深く掘り下げつつ、5位以降の理由もまとめて整理していきます。

1位:人間関係の悩みをどう見直すか

いちばん多いのは「職員同士」のストレス

よく聞く声としては、こんなものがあります。「先輩の機嫌で指示がコロコロ変わる…」「相談したいのに『自分で考えて』と言われてしまう」「リーダー同士の対立に巻き込まれてつらい」「自分だけ責められているように感じる」。

人間関係のストレスが重なると、「自分が悪いのかな…」「何をしても評価されない」と自己否定につながりやすく、辞めたい気持ちが一気に強くなっていきます。

人間関係の悩みを整理する3ステップ

人間関係の悩みは、感情だけで考えると出口が見えづらくなります。一度、次の3つの軸で整理してみてください。

ステップ1:誰との関係がつらいのか?

園長・主任なのか、直属の先輩なのか、同期・後輩なのか、保護者なのか、それ以外(給食室・外部スタッフなど)なのか。まずは相手を特定してみましょう。

ステップ2:どんな場面でつらくなるのか?

ミスをしたとき、会議・打ち合わせのとき、子どもの前で注意されるとき、休憩時間・雑談のとき、LINEや連絡帳など文章のやり取りのとき。具体的な場面を思い出してみてください。

ステップ3:事実と「解釈」を分けてみる

例えば、「朝の会議で『ここはもっと気をつけて』と注意された」というのが事実だとします。それに対して「自分はダメな保育士だと思われている」と感じるのは解釈です。事実と解釈を分けることで、「本当にそう言われたのか?」を見直すことができます。

実際に変えられること・変えられないことを分ける

変えやすい/働きかけやすいこと

自分の伝え方・聞き方を変える(言い方を変える、メモをとるなど)、相談する相手を変える(別の先輩・主任・外部相談窓口)、「ここまではやる/ここからはやらない」の線引きをする。これらは自分の努力次第で変えられる可能性があります。

自分だけでは変えにくいこと

園全体の風土(パワハラ気質・陰口が当たり前など)、園長・経営層の価値観、過剰な人手不足によるギスギス感。こういったものは個人の努力だけではどうにもならないことが多いです。

後者が強い場合、「自分を守るために環境を変える」つまり転職・異動を検討してもよいラインに入ってきます。

セルフワーク:人間関係の「限界ライン」を言葉にしてみる

紙やスマホのメモに、次の3つを書き出してみてください。

  1. 「これなら頑張れる」レベルの出来事・態度
  2. 「ここからは正直つらい」レベルの出来事・態度
  3. 「これが続くなら辞めてもいい」と思うライン

例えば、「忙しいときに口調がきつくなるくらいは我慢できる」「みんなの前で名前を呼び捨てにして怒鳴られるのはつらい」「人格否定のような言葉(『向いてない』『邪魔』)が続くなら辞めたい」といった具合です。

自分の「限界ライン」をはっきりさせることは、心を守る第一歩です。そのうえで、まずは園内で改善できるか(相談・部署異動など)、それでも難しいなら転職も視野に入れるか、を考えていきましょう。

2位:仕事量・長時間労働に潰されそうなときの考え方

「仕事量がおかしい」のか「慣れの問題」なのか

よくある声として、「持ち帰りの製作や書類で、休みの日も働いている感覚」「新人なのに、いきなりクラス担任+行事の担当も…」「サービス残業が当たり前。タイムカードの意味がない」といったものがあります。

ここで大事なのは、”単に慣れていないだけ”なのか、”構造的におかしい負担なのか”を見分けることです。

1日のタイムラインを書き出してみる

セルフワーク:1日の仕事を10〜15分単位で分解する

登園対応(何時から何時まで/何人で対応しているか)、クラス活動(準備含む)、書類・連絡帳、掃除・片付け、会議・打ち合わせ、行事準備、持ち帰り作業。こういった項目に分けて書き出してみてください。

書き出してみて、次の視点でチェックしてみてください。「これは本来、他の人と分担できるはずでは?」「ルール上は勤務時間外の作業になっていないか?」「”慣れ”では解決しないレベルで、物理的に時間が足りていないのでは?」

仕事量を軽くするためにできる小さな工夫

すぐに実践できる工夫の例を挙げてみます。製作や壁面は「完璧」を目指さず、「安全+子どもが楽しめる」ラインで止める。日案・週案はテンプレート化して、毎回ゼロから作らない。1人で抱え込まず、「今週ここが終わっていなくて…」と早めに共有する。「やりすぎてしまうクセ」がある人は、「ここまでやったら今日は終わり」と時間で区切る。

それでも、園全体で”過剰な仕事量”を当然としている場合は、自分の頑張りだけではどうにもならないこともあります。

「このまま続けた場合」と「環境を変えた場合」をイメージする

セルフワークとして、次の2つを書き出してみてください。

  1. 今の園で、この働き方をあと1年続けた自分。体調は?気持ちは?プライベートは?
  2. 仕事量が今よりマシな園に変わった場合の自分。どんな働き方をしていたい?どんな時間の使い方をしていたい?

「どちらの自分の方が、自分らしく笑っていられそうか?」直感でいいので感じてみてください。

3位:給料・待遇を数字で比較してみるワーク

「なんとなく不満」から「数字で把握」に変える

よくある声として、「責任が重いわりに給料が少ない」「ボーナスがほとんどない」「同年代の友だちの給与を聞いて落ち込む」といったものがあります。

ここで一度、「感覚的な不満」から「数字で比較」に切り替えてみましょう。

セルフワーク:今の待遇を整理するシート

紙やノートに、次を書き出してみてください。

①月収(手取り)

基本給、各種手当(役職手当・処遇改善手当など)、残業代(実際に支払われている分)を確認します。

②年収の見込み

月収(手取り)×12ヶ月、ボーナス(年間の合計手取り額)を計算してみます。

③実質時給をざっくり計算

1週間の勤務時間(残業含む平均)を出し、1ヶ月の総勤務時間≒週◯時間×4で計算します。「月収(手取り)÷1ヶ月の勤務時間」で実質時給の目安が出ます。

厳密でなくて大丈夫です。感覚値をつかむための計算です。

他の選択肢と比べたときにどう感じるか?

ここからが大事なポイントです。「保育士として、別の園に移った場合」「保育の資格や経験を活かしながら、別の業種で働いた場合」「全く違う職種に転職した場合」。この3つをざっくり想像して、”今の園で頑張り続ける意味”があるのかを考えてみてください。

チェックの目安としては、同じ地域の別の園と比べて極端に低くないか、業務内容(役割の重さ)と比べて納得感はあるか、「多少低くても、ここで働きたい理由」がまだ残っているか、を確認してみましょう。

もし、給与も低い、労働時間も長い、人間関係もつらい、となっている場合は、「環境を変える」ことを具体的に考えていいサインだと捉えてください。

4位:心と体の不調サインを見逃さない

「ちょっとしんどい」を放置しない

保育の仕事は、心も体もフル回転です。次のようなサインが続いている場合は要注意です。朝起きた瞬間から「仕事のこと」を考えて憂うつになる、職場につく前から動悸・吐き気・頭痛がする、休みの日も心から休めず、ずっと園のことを考えてしまう、帰宅しても涙が止まらない/眠れない、食欲が極端に落ちる、または過食気味になる。

これは、「自分が弱い」からではなく、心身が限界に近づいているサインです。

セルフワーク:1週間の「心と体」の状態をメモしてみる

1週間だけでいいので、毎日寝る前に次の3つを1行メモしてみてください。今日の気分(0〜10点で)、体の状態(疲労感・頭痛・胃痛・寝つきなど)、強く印象に残っている出来事。

例えば、「月曜日:気分3/頭痛あり/朝、園に向かう電車で涙が出そうになった」「火曜日:気分4/胃が重い/保護者対応でずっと責められている感じがした」といった具合です。

数字で見える化されると、「思っている以上につらい状態かも」と気づきやすくなります。

専門家の力を借りることは「逃げ」ではない

メンタルや体調の不調が続いているときは、産業医・かかりつけ医、心療内科・精神科、自治体や民間の相談窓口など、専門家に相談することも選択肢として当然ありです。

「たかが仕事のことで病院なんて…」と思うかもしれませんが、あなたの心と体は、仕事よりもずっと大切です。診断書が出れば、休職や配置転換の交渉がしやすくなるケースもあります。

5位以降:ライフイベント・価値観の変化で辞めるケース

ライフイベントで「働き方」を変えるタイミング

結婚・パートナーとの同居、妊娠・出産、自分の子どもの育児、親の介護、引っ越し。こうしたライフイベントは、「これまでと同じ働き方が難しくなる」タイミングでもあります。

「保育士を辞めてはいけない」わけではなく、正社員からパート・非常勤に変える、フルタイムから時短勤務に変える、乳児クラスではなく、学童や子育て支援に移る、など、働き方を変えることで続ける選択肢もあります。

価値観の変化で「辞める」ことを選ぶ人もいる

続けることだけが正解ではありません。「もっと自分の時間を大事にしたくなった」「別の分野で新しいチャレンジをしたくなった」「子どもと関わる仕事は好きだけど、現場ではなく別の形で支えたい」。こうした価値観の変化から、あえて保育士を辞める・休む決断をする人もたくさんいます。

セルフワーク:今の自分の”大事にしたいこと”を3つ書く

次のような問いで、自分の価値観を言葉にしてみてください。今の自分にとって、「絶対に大事にしたいもの」は何ですか?(3つまで)例えば、健康、家族との時間、収入の安定、やりがい、キャリアアップなど。

その3つは、今の園でどれくらい大事にできていますか?(10点満点で)

もし、大事にしたいこと:健康・家族との時間、現状:どちらも3点くらい…という状態なら、働き方や職場を変えることも、立派な「自分と家族を守る選択」です。

「辞めて良かった/続けて良かった」保育士のストーリー

最後に、よくある2つのストーリーを紹介します。どちらが正解という話ではなく、あなたがどうなりたいかを考えるヒントとして読んでみてください。

ケース1:「園を変えたことで、保育がまた好きになれた」

新卒で入った園で、長時間労働+人間関係に疲れ切って「保育士はもう無理」と感じていたAさん。勇気を出して退職し、別の園を見学・比較。残業が少なく、複数担任で支え合う体制の園に転職しました。

今は、仕事後に友達とごはんに行く余裕も生まれた、子どもとじっくり関われる時間が増え、「やっぱり保育は好きだ」と思えている、という声もあります。

「保育士を辞めたい」のではなく、「今の園を辞めたい」だけのことも多い、というケースです。

ケース2:「思い切って別の業界に転職して、自分らしさを取り戻した」

保育士として数年働き、「給料も働き方もこのままでいいのか」とモヤモヤしていたBさん。子どもと関わる仕事は好きだったため、子育て関連のサービス企業に転職。保育士の経験を活かしながら、企画やサポートの仕事にチャレンジしました。

結果として、収入が増え、将来設計が立てやすくなった、体力的な負担が減り、趣味や勉強の時間も持てるようになった、という声もあります。

「保育士資格は、保育園だけでしか活かせないわけではない」という好例です。

今のあなたに問いかけたいこと

この記事を最後まで読んでくれたあなたに、3つだけ質問させてください。

  1. 今いちばんつらいのは、「仕事そのもの」ですか?「職場の環境」ですか?
  2. 1年後、どんな自分でいたいですか?(仕事・生活・心の状態)
  3. その1年後の自分に近づくために、「今すぐできる一歩」は何ですか?

誰かに相談してみる、1日分だけ、心と体の状態をメモしてみる、他の園や働き方の情報を調べてみる、「ここまでは頑張る」「ここからは無理しない」というラインを言葉にしてみる。どんな小さな一歩でも、それは「自分の人生を、自分で選び直す」ための大事な行動です。

「辞める」も「続ける」も、どちらを選んでもかまいません。大切なのは、あなたの心と体をすり減らしすぎないこと。そして、「なんとなく流されて決めた」のではなく、「自分で考えて選んだ」と言えることです。

この記事が、そのための小さな手がかりになっていたら嬉しいです。

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